10月31日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、予算の執行実績報告書45ページの9のマンション維持管理支援事業費についてお伺いします。
 最近はワンルームマンションの建築が大変増えています。分譲のワンルームマンションはオーナーが投資のために買っていて、部屋を賃貸にしていることが多いです。そのためマンションの管理組合が機能していない。十分な積立金もないので、将来的にはスラム化する可能性があります。錦糸町駅の周辺には、このようなマンションがあると思います。スラム化すると犯罪の温床となり、大変大きな問題になります。マンションの計画修繕調査支援事業ですが、管理組合がしっかりしていて、自分たちでも修繕できる能力のあるマンションを支援する事業だと思います。私は管理組合がしっかりしているマンションには補助金は必要ないと思います。今墨田区が取り組むべきことは、管理がしっかりしていないマンションのスラム化を防ぐことだと思います。例えばスラム化しそうなマンションを探して、マンション管理士に委託して改善してもらうようなことが必要だと思います。マンションの修繕を支援することは大変だと思います。しかし、その対象は本当に支援が必要なマンションにすべきと思いますが、ご見解をお伺いします。

 

 

◎住宅課長(若菜進君) 
 マンション維持管理支援事業についてのご質問でございます。
 井上委員ご指摘のとおり、分譲マンションは私有財産といった集合体であるという特殊性から、居住用、投資用などの所有目的の違い、あるいは入居者の方の価値観、ライフスタイルの多様化など、年齢、所得の異なる区分所有者の合意形成といった難しさなどから、空き住戸の増加、あるいは管理組合の機能低下による管理不全など、建物の環境のみならず、周辺環境にも悪影響を及ぼすおそれがございます。
 こうしたマンションの特性を踏まえて、公共性といった観点から、適正な建物の維持管理や再生に向けて、行政が積極的に関与して施策展開を図る必要があると考えていて、マンション維持管理支援事業を行っています。建物の調査は建物の状況を把握するだけではなくて、長期修繕計画の作成、大規模修繕工事等の実施、またそのための仕様書作成のためにも必要なものでございます。そのようなことから、支援を行うことは良好な住宅ストック、あるいは良好な住環境の形成にも寄与すると思われますので、今後も適正に運営されている管理組合に対しても、支援を継続してまいりたいと考えております。
 もう1点は、マンションスラム化の防止でございます。
 実は第4回定例会に提案を予定している、来年4月1日から施行を目指している「(仮称)墨田区分譲マンションの適正管理に関する条例」では、区長、区分所有者、管理事業者等の責務を明確化して、分譲マンションの管理状況に関する届出を義務化するなど、またそれに対して区がマンションごとに管理状況に応じた情報を提供するなど、そういう形のことを行っていきたいと考えているところでございます。
 また、区からの支援においては建築士、あるいはマンション管理士などの専門家からアドバイスを受けるといったことができる体制も構築したい。そういった中で、マンションのスラム化を防いでいきたいと考えております。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、同じ45ページの13、高齢者家賃債務保証料助成費について伺います。
 この事業は、実績が1万500円しかありません。高齢者の方で住宅に困っている人はたくさんいるのに、ほとんど実績がないのは大変不思議です。この制度は高齢者のニーズに合っていないと思います。以前もこの問題を伺ったときに、家賃が高過ぎて高齢者の予算に合わないという答弁でした。
 それならこの制度を変えて、高齢者の収入に合った住宅を探す制度にしてはどうでしょうか。例えば民間の不動産屋に安い住宅を探してもらって、手数料を支払うようにすればいいと思います。高齢者で住宅に困っている人は多いですから、是非いい制度を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、ご見解をお伺いします。

 

 

◎住宅課長(若菜進君) 
 高齢者等家賃等債務保証制度についてでございます。
 井上委員ご指摘のとおり、一昨年の決算特別委員会においても同様の質問をいただいて、ご答弁させていただいたところでございます。その後、事業実績が低迷している中で、今回改めて事業そのもののあり方についてのご質問もいただいたものと認識しております。
 区は、高齢者の住宅確保を重要な事業と認識していて、ご指摘のあった債務保証制度のほか、ご提案のあった住宅あっせん制度も実施しているところでございます。このあっせん制度の実績は先ほどの公明党の質問のときも申しあげたのですが、申請は45件あったものの実績6件と利用状況はあまり上がっていない状況です。
 そのようなことから、今後は新しい住宅マスタープランの重点的な取組として掲げております「(仮称)すみだ安心居住ネットワーク」といった形のもので、住宅に困窮する高齢者世帯に対して、民間賃貸住宅への円滑な入居を支援するネットワークの構築を進めていく。その中で、今言った家賃債務保証、あるいは住宅あっせん制度といったものも、このシステムのところと一体的な運用という形で検討してまいりたいと考えております。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、執行実績報告書54ページの4、地域集会所管理運営費について伺います。
 墨田区には地域集会所が23カ所あります。資料の80番に主な区民施設の稼働率のデータがあります。1番新しいデータが平成26年度ですが、稼働率30%以上の集会所は五つしかありません。京島第二、業平三丁目、西あずま、太平四丁目、東向島の集会所です。また、稼働率が10%以下が5カ所もあります。一寺言問、東墨田うめぞの、八広中央、立川、梅若橋です。自分で計算してみたら、平均で21%の稼働率しかありません。このように稼働率が低い施設の維持管理に年間5,200万円もかかっています。私は区内に23もある集会所は墨田区の宝だと思います。介護や保育、学童保育やNPOの活動など、場所はこれから幾らでも必要です。
 しかし、なぜこんなに利用率が低いのか。これまで調査したことはあるのでしょうか。また、利用率が低い原因は何だと考えていますか。また、利用率を上げる取組を現在しているのかお伺いします。

 

 

◎区民活動推進課長(郡司剛英君) 
 地域集会所の利用実績につきましては、指定管理者である墨田まちづくり公社から毎月報告を受けているところでございます。稼働率はご指摘のとおり、20%台半ばでございまして、やはり地域の方々の利用が大半を占めております。地域集会所は地域で活用可能なコミュニティ施設という位置付けがございますので、稼働率が高過ぎると、かえって地域の方々の利用を阻害するというような一面もあることは事実でございます。
 また、町会会館を所有していない町会が、その町会会館がわりに活用しているというような実情もあることもあり、難しい側面も併せ持っているところがございます。
 しかしながら、全体的に低い状況の稼働率を上げる取組も必要であると認識しておりますので、今後は稼働率向上のために、集会所の予約状況をまちづくり公社のホームページ上で公開し、早期の利用予約につなげていく考えでございます。
 また、区民の予約申込みの受け付けを現状の2カ月前から3カ月前に変更いたしまして、利便性の向上と区外利用者の利用促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 20カ所の集会所は墨田まちづくり公社が管理しています。この指定管理者との契約は単に管理するだけでしょうか。どのようになっていますか、お伺いします。管理するだけの契約であれば、なるべくお客さんが少ないほうが楽ですから、それだけサービスは悪くなると思います。したがって、今後、集会所を指定管理者に任せる場合には、施設の利用についても任せるようにすべきと思いますが、いかがでしょうか、ご見解をお伺いします。

 

 

◎区民活動推進課長(郡司剛英君) 
 地域集会所の管理運営につきましては、ご指摘のとおり、まちづくり公社が指定管理者となって、先ほど申し上げましたような施設の実情に応じて、地元町会を中心とした運営協議会が行っております。その中には鍵の管理や予約の受け付け等も含まれているところでございます。先ほどの答弁とも一部重なりますが、施設の設置趣旨を考慮しつつも稼働率の向上に向けた改善や工夫を行って、区民の優先受付期間を設けると同時に、区外利用者の利用促進も図ってまいりたいと考えているところでございます。
 まちづくり公社との契約は、地域集会所の維持管理と運用を委託内容としておりますが、利用者にとりましては、利便性の向上も重要な役割の一つでございます。こうしたことから、今後もサービスの向上と併せて、適正な水準への稼働率の向上にも取り組んでまいりたいと考えています。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 今年3月の墨田区公共施設総合管理計画では、全ての集会所の評価をしています。それによれば、区分1、つまり建物、性能、施設機能ともに評価が低く、建物や機能を含め、今後の統合、複合化、整理について検討を要する施設になるのが29カ所のうち14カ所あります。すみだ中小企業センターにある西あずま集会所を別にすれば全部で13カ所あります。この13カ所については、建替えあるいは廃止になると思います。なるべく早く検討を開始する必要があると思いますが、現在、何か考えているのでしょうか、お伺いします。

 

 

◎企画経営室副参事(戸梶大君) 
 先ほど郡司区民活動推進課長からも答弁させていただいたとおり、コミュニティ施設がこれまで計画的に整備がされてきたことによって量的な整備が図られた一方で、稼働率が低く建物に課題がある施設も多くなっていることは事実でございます。したがって、この公共施設等総合管理計画とともに第2次公共施設マネジメント実行計画をお示しさせていただいていますので、その5年間の中でコミュニティ施設全体のあり方を現状も踏まえて検討していきたいと考えております。
 そして、井上委員ご指摘のとおり、この集会所等についても、コミュニティ施設全体の中で機能統合、あるいは集約化を含めて検討してまいりたいと考えております。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 集会所の評価の区分2と区分3については、建物の性能が低いか、あるいは施設の機能が低く区分1と同様に、重点的に見直しが必要となっています。全部で10カ所の集会所がこの区分になります。内部のリフォーム程度の改修で済む場合もあると思います。介護予防や子育て支援などのニーズはたくさんあると思います。これらの集会所についても、民間のスピード感を持って取り組んでいただきたいと思いますが、どのようなタイムスケジュールで再生したいと考えているのか、お伺いします。

 

 

◎企画経営室副参事(戸梶大君) 
 区分2と3についても、区分1とともに重要な課題として考えております。したがって、先ほど答弁で申し上げたとおり、第2次公共施設マネジメント実行計画において、コミュニティ施設全体のあり方の検討結果を踏まえて、井上委員ご指摘の用途変更、あるいは必要な修繕を行って、5年間のマネジメント実行計画の中で関係所管と連携しながら、長期的な視点、あるいは経営的な視点を持って、施設マネジメントの推進に取り組んでまいりたいと考えております。

 

○委員長(中沢えみり君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。